2012-08-20

沖縄の日々 国際児童演劇祭キジムナーフェスタにて


とても話したいなと思うことがあるときに、その相手とのタイミングが合わなかったり、自分のタイミングが合わなかったり。今回の沖縄での経験はまさにそんな感じ。

なので、久々ブログに。

7月27日から8月7日まで、沖縄に行ってきました。
国際児童演劇祭キジムナーフェスタに参加するために。

昨年の出会いをきっかけに僕が関わりを持ち始めた、アシテジ。
アシテジとは国際児童青少年演劇協会のこと。
その世界理事である劇作家/演出家のふじたあさや氏に震災をきっかけに出会い、児童演劇の世界に導かれていき、今回の沖縄に繋がる。

あっ、言っときますが、今回のブログはかなり長くなることが予想されるので、お時間のある方はお付き合い頂ければというスタンスで。

キジムナーフェスタは今年で8年目を迎えるアジア最大の国際児童演劇祭。いわば世界中の子どもや青少年のための演劇の祭典。

その演劇祭においてアシテジが第1回の世界ミーティングを開くことに。
これまでアシテジは3年に1回、総会を開いて来ていたのですが、今年から年1回、世界中の児童演劇をやっている演劇人で集まろうぜ!ってことになり、その第1回目に沖縄が選ばれた。

ウクライナやアゼルバイジャンで行われた世界理事会議に通訳として参加させてもらった僕は、当然沖縄までのいきさつも把握していたし、僕も通訳という立場を超えて、偉そうにも自分の意見を言わせてもらってました。その上アゼルバイジャンでは世界遺産の地下のレストランで誕生日を祝ってもらったり(南アフリカの世界理事長と誕生日が一緒でした。因みにふじたあさや氏はうちの父と誕生日が一緒だったり。)要するにかなりラッキーな経験をしながら、今回初めて行われる世界ミーティングの運営に思わずあれもこれも!と手を挙げた次第。

まずはアシテジ・マガジン。年に一度の年刊誌で今回は沖縄でやるということもあり、日英二カ国語の雑誌を作りました。テーマは「ぬちぐすい」。沖縄の言葉で「命の薬」という意味。演劇が、もしくは子どものための演劇が「ぬちぐすい」になり得るかということをテーマに世界からそして日本から原稿を集め、一つの雑誌にしました。素晴らしい記事や写真が集まり、それを演劇関連の出版会社、晩成書房と一緒にタッグを組み、オールカラーの雑誌を作りました。もちろん雑誌なんて作ったことはありません。でも世界に発信するこの良きチャンス。晩成書房の社長の全面サポートのもと、作っちゃいました。子供にとって、世の中にとって演劇がぬちぐすいになれる!と本気で伝えたい一心で。
雑誌自体は無料配布です。読んでみたいと思ってくれた方はご連絡くださいね。


そして、ワークショップを二つやりました。

ひとつは子どものためのワークショップ「想像すること 表現すること」。子どもたちが普段話すのが難しいことを導きだすためのワークショップ。アイスランドの演出家と一緒にやりました。ヨーロッパや南米で最近行われるようになってきた「赤いかばん」メソッドというのがあるのですが、それは世界中を旅して来たかばんがあって、そのかばんは絶対に開けてはいけないとされており、子どもたちにまずはそのかばんの中身を想像してもらうところから始まります。そして、実はそのかばんの中身は「子どもたちが普段話しづらいこと」が沢山詰まっていることを伝え、ワークショップに参加している子どもたちにその話しづらいものを想像してもらい、そして発言してもらったり、手紙にして書いてもらってそのかばんに入れてもらったりして、今度はそれを実際に一枚の写真のイメージを作るように舞台上でそのシーンを体現してもらうといった内容。文章で説明するのはなかなか難しいものがありますが、沖縄の子どもたちからも沢山のことばをもらいました。この詳しい内容は12月発行予定の「児童・青少年演劇ジャーナルげき 11」に寄稿致しましたので、それを読んでもらえたらと。どうしても入手出来ないってことでしたら、このブログ上で解禁次第アップさせていただきます。
子どもが抱えているものを表に出して行く、演劇はそのための最高のツールだと思う次第なわけでごぜえます。きっとずっとずっとある「いじめ」や「親からのプレッシャー」もきっと演劇行為を通して何かしらの糸口が見つかるような気がします。











もうひとつは親子のためのワークショップ人形を作る 人形劇を作る」これは福島の保育園の子どもたちとの出会いをきっかけに始めたプロジェクト「ユニコーンの角 プロジェクト」の一環として行いました。プロジェクトを一緒にやっているアーティスト、Pokkeさんに紙人形のひな形を作ってもらい、それにお父さん、お母さん、そして子どもが塗り絵をし、自分たちで切って、ひもをつけて人形にする。その作った人形たちで、参加者のアイデアを元に人形劇を作り、それをビデオにとり、メッセージと共に福島の子どもたちに送るというものでした。今回のフェスティバルの主人公である、沖縄に昔から言い伝わる木の精「キジムナー」とプロジェクトの主人公である「ユニコーン」と沖縄にしかいない「ヤンバルクイナ」の物語を参加者全員で作りました。最終的には汚れた、いや汚した海をみんなで掃除する!という物語になりました。Youtubeでビデオをアップしなきゃ、ですね。





















そして僕は今回のアシテジ世界ミーティングの通訳でもあったので、会議での通訳をしつつ、せっかく世界中から集まった選りすぐりの児童演劇作品をほとんど観ることなく、もう一つ、没頭して取組んだのが、「ネクスト・ジェネレーション(次世代)」プロジェクト。




これはアシテジとキジムナーフェスタの全面サポートの元、世界11カ国23人の児童演劇の若手アーティストが集まり、フェスティバル期間中に一つの作品を創るというプロジェクトでした。このプロセスがマジ素晴らしかった。いや、本当に学びました。




全く文化も個性も違う芸術家(それだけで超個性的な連中)が集まり、「ぬちぐすい」をテーマに作品を創る。結果、個性のぶつかりあいではなく、同じ方向を向いた異文化のアーティストがアイデアを出し合う過程となり、アイデアには事欠くことなく、建設的にかつお互いを尊重しつつ、作品づくりを営みました。いやぁ、みんなオープンで率直で、お互いに敬意を払う過程は目を見張るものがありました。作品もそれを映し出すものになり、舞台上で出来るのなら、地球上でも出来るでしょ!という思いに駆られました。文化は違えども同じ方向をむいているとはどういうことか。それは、みんな子どものために演劇を作ろうというやんちゃな連中の集まりで、大人になっちまったものの、子ども目線で作品づくりに取組むものだから、みんなで次何して遊ぶ?という感覚が常にあったような気がします。いつの間にか、僕もやんちゃになっていたのか、公演時にはみんなと一緒に舞台に乗っていました。当初の予定では、通訳やワークショップのスケジュールを踏まえ、コーディネーターや演出側に回る予定でしたが、なにか? 

はい、この支離滅裂ぶり。ホントは会って、こうだったんだよ、ああだったんだよ、ねぇねぇ、どう思う?って会話に発展させたいのですが、ひとまず書き走りました。







お互い忙しいからこそ、たまには会って話しがしたいですね。

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