2015-03-05

劇団「わが町」公演:「ザ・チェーホフ」




















さて、今月は無謀とまで言える、本番3連発に向けての日々を過ごしております。一つ一つ紹介させて頂きやす。

まず一つ目は川崎市新百合ケ丘の市民劇団「わが町」の公演「ザ・チェーホフ」。この劇団の活動を初めて早3年。一昨年、この劇団率いるふじたあさや氏と児童演劇の仕事で出張中のオーストリアの電車の中で、「わが町」3年目にふさわしい作品は何だろうかと、車窓に流れる田園風景を目にしながら話し合っておりました。そのとき僕は大学で取ったチェーホフの授業での取組みについて話しました。それはチェーホフの戯曲ではなく短篇を劇にするという授業で、あれから20年以上経った今でも鮮明に授業内容を覚えており、劇団「わが町」でもそんな事ができないか、と。僕自身、実はずっと暖めてきたアイデアで数年後の上演に向けて更なるアイデアを膨らまし中ではあるのですが、まずは劇団「わが町」の劇団員が、ふじたあさや氏がどんな風に料理するのかとても興味深く、このチェーホフ短篇作品化のアイデアを話したところ、「それで行こう!」ということになり、昨年の夏ごろから二期生のオーディションそしてワークショップを始めて、「料理」の実験がスタートしました。そして実際フタを開けてみると、す、すごいことに。なんと9歳の小学生から74歳(ぐらい)の方まで20数名の劇団員がそれぞれみつけた短篇から、こちらから提案した短篇から台本を次々と書いてきまして。「あの人が書くなら私も」という波状効果がぐわんぐわんと起こりまして、ついには12月迄に50篇近くの作品が持ちこまれ、ワークショップ的な稽古でそれらを演劇化していくという市民劇、いやいやプロの劇団でも考えられない様な奇跡のプロセスが生まれました。またどの作品も甲乙つけがたく実に面白い。なので、そこからのプロセスもこれまた大変。作品を絞り込み、今度は一つの作品にしていかなければならないのですから。さすがのふじたあさや氏も上演戯曲に仕上げるのにそこから時間をかけての料理、本が最後まで上がってきたのは2月末。今年に入ってからは「戯曲」の料理が出来た順に「作品づくり」の料理をしていくという「おもしろい」のと「大変!」な紙一重の作業。今もなお、料理は続いています。仕上げのスパイスを加えるのに、時間があまりないとは思いつつも、こっちもつい「あーしてみよう、こーしてみよう」と演出アイデアを提案したり、試したり。6歳から77歳(ぐらい)の人たちが共同で創造作業している姿はホントに美しいです。

現在、僕も演出補として、衣装さんや作曲家の追い上げと共に突っ走っております。100メートル走並みのスピードで、マラソン並みの距離を。というのは、実は・・・

とこの続きは次のブログで!

以下、公演の詳細です:




















演出家・ふじたあさやより  
 しんゆりの私たちの稽古場は、今、ちょっとした盛り上がりを見せています。
「チェーホフの短編小説を読んでみよう。面白いと思ったら、脚色してごらん」といったところ、にわか劇作家が、なんと20人も現れたのです。中には小学生までいます。一人で短編を12本も脚色した人もいますし、何本かの短編をオムニバスにして一晩芝居にした人もいます。みんな、チェーホフとはこういうものだ、演劇というのはこういうものでなくてはいけないという先入観に、とらわれていない人たちです。だから、チェーホフの一つ所に留まっていない面白さを、つかむことができたのでしょう。
 これから皆さんが書いてくれた場面を組み合わせて、作品化していくわけですが、にわか劇作家たちのがんばりのおかげで、日本の演劇人たちがこれまで思い込んできた抒情的な〈チェーホフらしさ〉からは、どうやら抜け出せそうです。きっとこれまでになかったチェーホフ劇ができるでしょう。
 あの世のチェーホフさん、見に来てください。ご招待します。

公演日時 2015年3月13日(金)~15日(日)

13日(金) 19:00開演
14日(土) 14:00開演/18:00開演
15日(日) 13:00開演/17:00開演
※開場は開演の30分前。

【キャスト】
●劇団員(50音順)
秋山敏佑樹、池田紗菜、いまどりえ、上村健太郎、上田明彦、梅澤賢一、梅澤実里、圓崎大和、圓崎弥生、大野倫子、大野好之、奥野氾子、小山雲母、狩野 淳、上崎 実、木村陽子、小松 祥、近藤明子、酒井道子、酒井みな実、酒井優月、品田芙季、杉山つばさ、鈴木明博、高取良典、竹中秀明、田中千恵美、田中優香、田辺佐保子、坪井翔、豊田泰史、中平朝恵、夏堀妙子、成澤布由子、羽賀拓郎、萩坂心一、萩原みどり、橋迫千明、林 桃子、日野順子、平井陽菜、藤村明史、牧野克己、松崎朝子、松澤亜美、宮下瑛美、村上マヤ子、村瀬真秀子、森山蓉子、矢澤耕一、柳瀬健太郎、山浦弘靖、山下優里、山田スミ子、山田睦実、山田誠浩、若原千大

●客演
古舘一也(company ma) 原田 亮(company ma)

【スタッフ】
原作:アントン・チェーホフ
作・構成・演出:ふじたあさや/作:劇団わが町文芸部
美術:池田ともゆき 衣裳:坂本真彩 照明:坂本義美 音楽:藤原 豊 
音響:山北史朗 舞台監督:野口岳大 演出補:大谷賢治郎 


主催:芸術によるまちづくり・かわさき2014実行委員会/川崎市
後援:「しんゆり・芸術のまちづくり」
企画・制作:川崎市アートセンター/NPO法人KAWASAKIアーツ

チケット 【料金】
一般 2,500円/小学生 1,000円(全席指定・税込)

※未就学児童のご入場はご遠慮下さい。
※小学生のチケットは窓口販売のみとなります。
※車椅子でご来場のお客様は当日のスムーズなご案内の為、チケット購入後、事前に川崎市アートセンターまでご連絡をお願いします。

【発売日】2015年1月20日(火)

【取扱い】川崎市アートセンター
●窓口販売 9:00-19:30(毎月第二月曜除く)
●電話予約 044-959-2255(9:00-19:30 土日祝・毎月第2月曜を除く)
●WEB    チケット購入はこちらから

劇団わが町とは 2012年6月に生まれた新しいゆるやかな劇団です。劇団員は地域住民の方々、総勢約50数名。年齢制限はなく、現在7~77歳までのメンバーが所属しています。しんゆりシアターのラインナップの一翼を担い、長期的に様々な創造活動を行なっていきます。http://our-town.jp/

お問合せ 川崎市アートセンター 044-955-0107



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