2010-04-29

落語はおもしろい

昨夜、池袋演芸場にて落語を観た。
それが最高に可笑しくて。腹を抱えて笑いました。

最初に若い前座の方が登場。
めっちゃ緊張してて。台詞は噛むは座布団に座っててもどこか挙動不審で。
でも、そりゃそうだわなって思うのです、だって演劇や映画と違って客席の電気が付いたままなんです、しかも煌々と。そして舞台にいるのはたった一人。何するかってぇと座布団に座り、観客を笑かそうとする。めっちゃシビアでしょ。お客さんもシビアで、取りの真打ちを目当てに来ている人も多いからか、前座では客の出入りは激しいわ、読書してる人はいるわ、食事に夢中になってる人はいるわ。それが全部舞台からも丸見え。なんせ客電煌々なわけだから。いやぁ、怖い。でもそうやって鍛えられて行くのだろうなと。厳しい世界だけど、それでも真打ちまで登りつめていく。尊敬しますね。

そして、真打ち登場。初音家左橋さん。僕は初めて観たのですが、一瞬でファンになってしまいました。落語が好きな方には当たり前のことなのでしょうが、いちいちに感動。

座布団の上に一人座り、何役をもこなし、観客の想像力を突ついて行く。絶妙な間。羽織を脱ぐタイミング。表情。声。全ての役がまるでそこにいるみたいで、背景から小道具から音や匂いまで見えてくる。聞こえてくる。匂ってくる。そして、何よりもことばがきれい。美しい。
みなさん、日本語は美しいです!

みなさん、落語は世界に誇る演芸です。でも字幕付きで観ても海外の方には日本語の微妙且つ絶妙なニュアンスはわかりません。だから我々日本人はラッキーです。日本にいて日本語で落語を聞けるのですから。もっともっと落語を観ましょう。聴きましょう。

一方で、ことばだけでない表現力、それは観客が何人であろうと惹きつけられますよね。ことばわからなくても伝わってくるもの。海外の舞台観て、ことばわからなくても感動するあの感覚。

ふと思い出しました。サンフランシスコで芝居の勉強してたとき、到底ことばでは叶わないと思い、身体表現やダンスなどことばには頼らない表現力を磨こうとしていたことを。必死だったな。アメリカ人、喋るの早いし。当たり前だけど。

で、昨夜落語を聞いて思う訳です、今度は日本語の美しさも大事にしなければなと。

落語好きな人、誘ってくださいね。
落語行ってみたい人、声掛けます。

2010-04-28

Precious プレシャス



















久々にドキュメンタリーを超えた映画に出会った。
社会の鏡になる役割を持つ映画。
映画において俳優は勿論演じる訳で、監督は勿論演出をする訳だが、演じている俳優も監督の演出眼も生身の人間がきちんとそこに存在している映画だった。

母親が娘に話す時の口調。アメリカの一面をとても的確に表しているなと。
英語がわからなくても観れる方、感覚で感じてみてください。そして、どうしてこういう親子の関係が生まれてしまうのか。人間関係の歪みの原因。ぼくにとってもですが、考える機会になればなと。




以下GHQによる憲法25条の草案。(草案では24条になってます)

Article XXIV. In all spheres of life, laws shall be designed for the promotion and extension of social welfare, and of freedom, justice and democracy.
Free, universal and compulsory education shall be established.
The exploitation of children shall be prohibited.
The public health shall be promoted.
Social security shall be provided.
Standards for working conditions, wages and hours shall be fixed.


2010-04-25

NINE



















観てきました。すごい面子。うらやましい限りです。どうしたらこんな面子が揃うのだろう?比較しても仕方あるまいと思いつつ、これだけの感覚と力量と度胸と色気のある俳優、日本にはいるのだろうか?
ダニエル・デイ・ルイス。何でもできるなぁ。
僭越ながら、彼が演じた映画監督の作品を作る上での苦しみや妄想、共感できるものがありました。
世界を旅するのも、どんな料理を作るのかも、読書も作品作りも、まずは妄想からだよね。
そして、自分の妄想から生まれたものでヒトの妄想を触発する。
よく夢か現実か?なんて言うけど、夢もその夢を見ている人にとっては頭や心の中であっても実際に起きていることな訳で。だから妄想や想像もリアリティーなんだと思う。
まずは空想することから始めましょ。ってあのひとも言ってたな。

先日、ジャコメッティの秋冬の展示会に顔出してきました。めちゃ、かっこいい服たちが生まれたてほやほやの顔をして並んでました。これもまた想像から形になったものたち。

触発された僕は映画からの帰宅後、ジャコメッティのスーツ着て、ひとりNINEを行いました、とさ。Ustreamで中継を、と言われましたが・・・。

2010-04-22

久しぶりのブログ 演出のことなど。



















この1ヶ月間、「ハンナのかばん」の再演出を手掛けてきまして、かなりエネルギーを注ぎ込んでた様子。ブログからしばらく離れていました。

5年前、僕は世界8カ国から俳優をイスラエルに集めて作られた演劇作品「バベル」参加。
2年をかけてイスラエルの演出家モニ・ヨセフ氏のもと芝居を作った。

昨年、この演出家を招聘し作られたのが劇団銅鑼の公演「ハンナのかばん」。日本人・石岡史子がアウシュビッツで殺されたハンナという女の子のかばんを入手、様々な旅を通してハンナが一体どんな女の子だったのかを発見していくという実話をベースにした作品。

今回この作品の再構築を手掛けた。モニさんが演出したものを基盤に、そして、モニさんから学んだものを引き継いで。

今年この作品は日本中を巡演する。新しくなった「ハンナのかばん」是非観にきてください。
東京では6月17日に成増での公演があります。僕なりの方向性で僕なりのアイデアも織り交ぜました。公演の詳細は追ってアップします。

ってなわけで、演出の仕事の面白さを改めて確認した1ヶ月。これだけ夢中になれることはそうそうありません。中学3年のとき「カッコーの巣の上を」を演出したあの初心。授業中も放課後も演出のことばかり考えてたあの初心。毎晩のようにジャック・ニコルソン主演の映画を見て、手書きで台本を起こしたあの初心。

自分が夢中になれること、初心忘るべからず- 再確認しました。

だからこそ今度はゼロから自分で演出を手掛けたいなと。そんなわけで最近は図書館で本を借りまくってます。本の虫状態。「カッコー」を発見したときみたいに「うぉぉぉ!」という本との出会いを求めて。でも求めすぎると相手は逃げていく訳で、楽しみながら作品探しをしています。なので良い本あらば紹介してください。

そ、そんな中です。先日(正直言えば年末)本屋である本が突出してそこに存在してて。
見つけたんです、芝居にしたい短編小説を。でも、その作家さんにどうアプローチしたらよいものかと。あの手この手を使ってみたのですが、なかなか難しく。
そして、先週。なんとなくTwitterを覗いていたら、居たんですその作家さんが。早速フォローしてダメ元でメッセージを送り。するとなんと返信があり・・・。
アプローチ第一段階突破!今後の展開が楽しみです。