2010-02-16

Antony and the Ohnos



















大野一雄 舞踏家 現在102歳。

今では舞台上で彼が踊ることはないが、舞台上に彼を感じることはできると思う。
僕はアメリカから帰国した23歳のときから彼に舞踏を3年間学ぶ機会を得た。
そのとき彼は確か89歳。「わたしのお母さん」という演目で客席案内の役割を果たさねばと思いつつ、彼の踊りを観て両袖がカピカピになるまで泣いた。
俺はラッキー。かなり。

Antony 音楽家

Antony and the Johnsons を率いる。
僕は彼を最近まで知らなかった。彼の歌声を初めて聞いたとき、この人は神様か!と思った(マジで)。西洋で演劇を表す2つのお面、笑ってる顔と泣いてる顔。その感覚。2つの対のモノが具有している感覚。矛盾が正論でいいんだという感覚。
なんだ、この共感できてしまう感覚は。
調べてみたら大好きなLou ReedやBjorkと共演してる。そりゃそうだわな、セクシャルな意味だけでなく、両性が具有してるアーティスト同士、引き合うと思うな。

大野慶人 舞踏家

僕はこの人にも沢山お世話になっている。一雄氏に学んだ3年の間、この人からも舞台に立つこととはどういうことかを学んだ。「歩く」ということ。
「革命を起こしてください」と23の時から僕に言い続けてくれた人。
若いときにこの親子に会わせてもらった俺はラッキーだ。かなり。

この3人が数日前の夜、共演した。歌と踊りと演奏と映像と。
草月ホールにて。

実はチケットはもう完売だった。
俺の友達が当日券が出るからと並んでくれた。
そしたら、チケット一枚余ってしまってと彼に話しかける人がいた。
その友人から電話、「あと5分で来て。チケット譲ってくれる人がいるから。」
当然、俺は全ての信号を無視してチャリを飛ばした、そして感謝の固まりのようなチケットを手に入れる。
奇跡は続く。
勿論、彼と席は隣同士。話をする。
「学生の時に慶応で大野先生の踊りをみて・・・」
それはまさに俺が袖をカピカピにした公演。

奇跡は続く。

この公演のタイトルは「魂の糧」
そのときは特に気にしていなかったけど、
今になって思う、
そういうことかと。

魂の糧になる舞台でした。
かなりラッキーだと思う、この舞台を見れた人。

一緒にいた友人と僕は公演後、暫し呆然とし、そのラッキーさを噛みしめました。とさ。



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