2017-02-03

青年劇場公演「原理日本」演出します。

おっと、新年の挨拶をと思っている間にもう2月になっちまいました。早いもので今年も残すところあと11ヶ月。気づいたらもう正月!なんてことになりかねませぬ。
今年に入りまして演出作品が3本続きます、と言った見出しで書こうと思っていたブログ、既にそのうちの1本を無事終えました、という事後報告に切り替えつつ、久しぶりに投稿させていただきます。

15年以上続く日韓演劇交流センターによるイベント、韓国現代戯曲リーディングにこの度光栄にも演出として関わらせていただきました。僕が演出したのはチャン・ウジェ氏による「アメリカの怒れる父」。韓国や日本を題材にしていない戯曲がこのイベントで紹介されたのは初めてのことだったそうです。この戯曲は2004年5月にイスラム武装勢力によって斬首されたアメリカ兵、ニック・バーグの事件、そして彼の父親である、マイケル・バーグが英国の戦争阻止連合宛に書いた「一通の手紙」をモチーフにアメリカを舞台にした作品でした。稽古中にアメリカではトランプ政権が誕生、様々な差別政策が打ち出され、戯曲の内容と今のアメリカの姿が恐ろしいほどに重なっていき、胸が張り裂ける思いで本番を迎え、悶々と無事に終えました。



















そして、2月本番の青年劇場公演「原理日本」、3月本番の劇団銅鑼公演「彼の町〜チェーホフ短篇集」にシフトを切り替え、取り組んでいる次第であります。「彼の町」についてはまた改めて触れるとして、まずは「原理日本」!!

























黒澤明監督作品、「わが青春に悔いなし」「悪い奴ほどよく眠る」そして「天国と地獄」の脚本を手掛けた劇作家・久板栄二郎が、日本が戦争に向かっていく姿を実在の人物たちを通して映し出す、1970年に俳優座に書き下ろした渾身の戯曲、「原理日本」。

「神ながらの道」と神の名のもとに国粋主義を唱える登場人物たちの姿は、現在の世界、すなわちキリスト原理主義を利用するアメリカ政権、イスラム原理主義者、そして「国家神道」を唱える日本の政権の姿のようで、まさに今の日本で上演すべく作品との出会い。

しかししかし、1970年に俳優座で上演されて以来、今日まで一度も上演されていないこの作品、正直、最初劇団から話をもらった時、戯曲を読んで挑戦状を突きつけられた思いでした。しかしこの挑戦状は絶対に今の日本に共有されるべく課題を与えてくれると思い、すこぶるやりがいのある悪戦苦闘の毎日を稽古場で過ごしています。

音楽は今回も盟友・青柳拓次。

是非是非、新宿御苑にある青年劇場のスタジオに観に来ていただきたい。

青年劇場 小劇場企画No.21
「原理日本」

作・久板栄二郎
演出・大谷賢治郎

2017年2月17日(金)~26日(日)


2月
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
14:00
19:00
-


劇場・青年劇場スタジオ結 東京都新宿区新宿2-9-20 メトロ丸ノ内線新宿御苑前駅徒歩2分
料金・(一般4,500円のところ)関係者割引4,200円 (僕に連絡を!)
   U30(30歳以下)3,000円

美術・池田ともゆき 照明・鷲崎淳一郎 
音楽・青柳拓次 音響効果・坂口野花
衣裳・宮岡増枝 フィジカルトレーナー&演出助手・原田亮 
ドラマトゥルク・広戸聡 宣伝美術・八木克人 
舞台監督・松橋秀幸 製作・福島明夫 製作助手・広瀬公乃

出演:
杉本光弘 島本真治 奥原義之 浦吉ゆか 大山秋 
矢野貴大 安田遼平 傍島ひとみ 沼田朋樹

『あのときなぜ 日本は戦争に向かっていったのか』
戦争への道は、言論の排斥で作られていった!
今、必要なのは論理でも、理屈でもない!神ながらの道、国体明徴!
国粋主義を説き、「原理日本」を主宰する猿田彦市。京大の滝川教授、東大の美濃部達吉博士弾劾の急先鋒に立ち、世論の支持を受けた彼に近づく政治家、軍部、財界。彼らの支えが、猿田を増長させ、さらにその舌鋒は鋭さを増していくのだが・・・・。

1970年、久板栄二郎氏が劇団俳優座に書き下ろし、蓑田胸喜をモデルに戦後につながる狂信的国家主義者の姿を描き出した問題作が、憲法論議の高まる今、甦る!

来られる方、ご連絡お待ちしております!!




0 件のコメント: