2008-11-25

ワークショップ三昧

最近、毎週のように演劇のワークショップをやらせてもらってます。受ける側でなく、指導させていただく側で。いよいよ、12月から演出助手として参加させてもらう劇団銅鑼(どら)公演「ハンナのかばん」の稽古が始まるのですが、イスラエルから演出家が来るまでの準備として、先週3日間のワークショップをしてきました。ホロコースト(ドイツでのユダヤ人虐殺)での少女のお話を題材にしたお芝居なのですが、ホロコーストで何が起きたか、ということではなく、自分たちの中にあるかもしれない、差別意識や被差別経験を引き出し、向き合い、観察し、俳優としてその感覚に責任を持って芝居をする・・・そんな、しんどいワークショップをしましたが、皆さんホントよくついてきてくれました。僕がイスラエルでその演出家と経験した、そのしんどいアプローチを、彼が来日する前に少しでも触れてもらおうとの試み。いやぁ、演じるほうもそれを促すほうもなかなかきついものでした。でも僕ら作り手が責任もって表現することが出来たらな、と。

そして、昨日、サラリーマンなど一般の方を対象にしたワークショップをしてまいりました。
会場に足を運ぶと、「大谷覧治郎講習会」との看板が。自分の名前が書かれた看板にも勿論びっくりしたのですが、「らんじろう??」になっていることにさらに驚愕し、顎がはずれました。

参加者はサラリーマンから、OL、人材派遣で働く方、水道配管業、銀座のクラブのホステスまで様々。皆さん、自己を解放をしたいという人から、もっとコミュニケーション能力を高めたいという人までこれもまた様々。素人さんとは思えないほどの自由な表現力を見ることが出来ました。「うまくやろう」とかしない分、普段全く演技の経験をしていない分、皆さんの想像力から出てくるものにはとてもリアルな目を見張るものばかりでした。最初は徐々に体を動かすことから始め、最後は即興で芝居を作ってもらうまでの3時間。楽しかった。皆さんにも大変喜んでもらえたようでした。 芝居の稽古でやるエクササイズって、ホントいい教育のツールだと思うんだよなぁ・・・。色々な国で、演劇教育って小学校から行われているし。それは、決して俳優を目指すものではなくて、表現力や協調性、人に自分の気持ちを伝えたり、人の話をちゃんと聞いたり・・・というごく当たり前なんだけど、とても大切なことを学ぶためのもの。これって今の日本の社会にかけてるものばかり?と思うのは俺だけかな・・・?まぁ、プロの俳優さんにとっても然りですが・・・。

アルゼンチンでは小学校の放課後活動として生徒の50%がサッカー、もう50%が演劇をしているようですよ。一方とある国では音楽や美術のクラスもカットしちゃえ!なんて言っておりますが。
また、とある都市ではオリンピック招聘に躍起になって、突如、文化都市!みたいになっておりますが。土台作りが大切なんですけどねぇ・・・。

まぁ、その辺の話はともかくとして・・・

今週、来週と今度は俳優さん対象の3日間集中ワークショップをやってきます!

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

役者さんってすてきなお仕事(?)だなって改めて思います。

受け入れる=手放す

…ていうテーマで物事を観察することに最近はまってて、
演じることもまさしくその作業の繰り返しなんだね。

自分と別の何かを受け入れるには
自分を一度手放してみるしかないんだね

風通しの良い自分になっていきたいなぁ~、と
ぼんやりぼんやり思ってるこの頃です。