一昨年、昨年に引き続き今年もふじたあさや演出の助手として、青年劇場の夏の公演を創る過程に参加させてもらってます。
今年の作品は篠原久美子さん書き下ろしの新作「羽衣HOUSE」。
震災から3年後。
福島からの避難家族を受け入れる宿泊施設が舞台。
そして、コメディ。
本が実に面白い。
この面白い本を面白く上演する為に、俳優たちと日々あーだこーだ試しています。
舞台上でも常に多くの大人たちがあーだこーだ動いています。それぞれの思惑を持って。
そのカオスが人間臭くていいんです。
新しい本に出会う度に、作品の作り方や向き合い方は変る訳で、僕も模索しながら、どうやったら、コメディーをコメディーにできるか、試行錯誤を楽しんでます。
笑いの向こうには計り知れない苦痛や悲しみがある。
道化がそうであるように
なんて日々稽古場で考えながら。
そして、以下僕が青年劇場に寄稿させて頂いた文章です:
まずは率直に。とんでもない本に出会ってしまった、という感じである。震災から3年が経ち、多くの人がインターネットなどを通して、マスメディアや政府を批判したり、反原発を訴えたり、そのための活動を広めようとしている。ざっくりと言ってしまえば、僕もそれらの多くに同意するのだが、しかし、それらの情報を自分の知人達にも知ってもらおうとシェアするかといえば、大抵の場合、しないのである。どこかでしっくりこない自分がいるのだ。そんな中、この本に出会い、ずっと痒くて届かなかったところに届いた!という感覚で、情報をシェアしない、どこかしっくりきていないその理由が自分の中で明らかになった。
「賛成・反対」「正論・反論」「右・左」・・・といった単純な二極化の傾向が、自分にはしっくりきていなかったということに気づかされたのである。当然僕の勉強不足も重なり、無責任に情報をシェアできないという点もあるのだが、どこか答えが単純化されてはないだろうか、という危機感をずっと抱えていたのだということにこの本を通して気づかせてもらったのだ。
その単純な答えが分断を招いていると、篠原氏も稽古で語っていたように、今地球規模で考えなければいけない様々な問題が、単純二極化によって、結果、更に解決を難しくしているように思える。今、世界はカオスだ。そのカオスと向き合うためには、僕らの中に多様性を持っていなければならない。多様な視点と理解力を持たなければならない。そのカオスを、一筋縄では行かない震災後の日本の今を、したたかなる批判精神の上に、見事に書き当てているコメディーが「羽衣HOUSE」だ。
上演までの稽古プロセスが、非常に楽しみである。
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はい、頑張ります。
観に来てくださいまし。
チケットとります!
詳細は青年劇場ウェブサイトにて:
http://www.seinengekijo.co.jp/frame.html
2013年9月12日(金)~21日(日)
※9/16(火)休演
12金 19:00
13土 14:00 / 18:30
14日 14:00
15月 14:00
16火
17水 14:00
18木 14:00 / 19:00
19金 19:00
20土 14:00 /18:30
21日 14:00
紀伊國屋ホール 〒163-8636 新宿区新宿3-17-7 紀伊國屋書店新宿本店4F
http://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20140623112000.html
演出・ふじたあさや
作・篠原久美子
出演
青木力弥 葛西和雄 昆野美和子 大木章 奥原義之 浦吉ゆか 武智香織 相楽満子 藤代梓 安田遼平
ストーリー
事故を起こした原発から300キロ離れた山間にある自然の家「羽衣House」。
2013年夏。子どもたちが自然教室に出かけている間に、何者かによって家が荒らされた。ネットには犯行予告ともとれる書き込みがあったが犯人は誰なのか・・・。
それよりなにより、子どもたちが夕方からのマジックショーと焼肉パーティーを楽しみにしている。彼らが戻って来るまでに、なんとか元通りにしたい。「お帰りなさい!」と、何事もなかったように、子どもたちを笑顔で迎えるために・・・!
入場料金[全席指定・税込]
前売 一般 5,150円 U30(30才以下) 3,100円
当日 一般 5,500円 U30(30才以下) 3,400円
前売券取り扱い
紀伊國屋キノチケットカウンター(新宿本店5階/店頭販売のみ 受付時間10:00~18:30)
青年劇場・チケットぴあ
お問合せ 青年劇場 03-3352-7200
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