これまで色々なところで、演劇ワークショップを行なってきましたが、(実は現在も、今年で4年目になる劇団銅鑼「ハンナのかばん」文化庁・文化芸術による子どもの育成事業の公立小中学校を回る演劇ワークショップで南九州を巡行中!)ついに東京大学で行なう機会を頂きました。
東京大学大学院で「哲学」を学んでいる、総合文化研究科・教養学部附属 共生のための国際哲学研究センター(通称UTCP)にて「哲学ドラマ」と題して演劇ワークショップを行ないます。
この研究センターは3つのグループに分かれているのですが、そのうちの二つ、「共生のための障害の哲学」と「哲学をすべての人に」という2グループの共催で行ないます。
一つ目のグループは「当事者研究」と言って、発達障害や精神障害を持っているとされる当事者が、障害者と健常者の間の共生社会を築くための哲学を展開していくことを目的としており、二つ目のグループは「哲学対話」と言って、哲学カフェや、学校での哲学教育、子どものための哲学など、哲学者だけでなく、ワークショップなどを通して開かれた哲学を発展していくことを目的としており、この二つが共催で行なう、演劇ワークショップ。面白くならないわけがないだろうと、話しをもらったとき、すぐに手を挙げて「やります!」と返答しました。
何年か前に「ちいさな哲学者たち」というフランスのドキュメンタリー映画がありました。その映画は、フランスの幼稚園が舞台で、子どもたちが「愛ってなんだろう?」「自由ってなんだろう?」って話し合う2年を追っており、まさに子どもたちに「考える」機会を与え、自分のことばで「生きること」の意味を探って行く姿に、僕は目から鱗が何枚も落ちました。「哲学」というと難しい響きに聞こえるけれど、生きて行くことの中にある様々な疑問を考えること。それは僕が自分の演劇ワークショップで子どもたちに繰返し言う、「自分で考えて動いて」「想像力を使って」ってことに繋がるな、と。「考える力」や「想像力」を持つことで、共感や当事者意識が持てるようになれたらという人間力の教育を僕も演劇のワークショップを通して行なって行けたらと思っていた時にまず、「哲学のすべての人に」の哲学対話ワークショップに出会い、僭越ながら、子どもたちとの活動の可能性を広げたい僕の心に共鳴しました。
また、アシテジ国際児童青少年演劇協会の仕事で、様々なアーティストに会う中、「インクルーシブ・アート(包括的芸術)」と言った活動をしている人たちと出会い、やはり障害を持った当事者が演劇活動を展開させていくというもので、これもまた僕のやりたい活動の一つとしてビンゴでした。そして、今回出会った「共生のための障害の哲学」。僕にはまだまだ計り知れない研究ですが、是非ともこの機会を通して、僕自身学ばせてもらえたらと思っています。
勿論様々な「障害」と言われるものがあり、一概には言えませんが、社会に順応するのが難しい人を「障害」を持っている人と括る傾向があると思います。しかし、それは現在の社会の在り方は絶対であるという考えに基づくもので、それは学校生活に馴染めない子を特別支援学級に入れる傾向にも似ていると思います。明確な答えは出せないのですが、僕には社会に適応する人が健常であり、適応出来ない人が障害者だとは単純に思えないのです。
なんてことを思ったり、考えたりしながら、今回のワークショップの機会、嬉しく思います。
今回のワークショップはズバリ「恋愛」。
寺山修司の「人魚姫」のテキストを使って、恋愛について、演劇ワークショップを通して哲学します。
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哲学ドラマ ワークショップ
愛すること 愛されること:「恋愛」の当事者研究
~演劇という「空想」を通して「恋愛」を哲学する~
テーマは恋愛。
愛するとは、愛されるとはなにか。自分とは違う存在、身体、世界を生きる他者であるあなたに、なぜ私は近づきたいと願うのか。
誰もが一度は当事者になったであろう恋愛について、寺山修司版『人魚姫』という物語の中で、一緒に楽しく考えていきたいと思います。
当事者研究とは、自分たちの苦労のメカニズムを自分たちで解明し、自分助けの方法を探求していく実践です。これは、「自分」を「哲学」することに通じます。
このワークショップでは、演劇という空想を通して当事者研究―哲学―するワークを行います。
後半、当事者研究や国内外で演劇実践を行っているパネリストと参加者の皆様で、ワークを踏まえた哲学対話を行います。
2014/10/13(月・祝) 13:00~18:00
第1部 哲学ドラマワークショップ
13:00~15:30 [定員]30名程度
東京大学駒場キャンパス 21KOMCEE 101
第2部 フォーラムダイアローグ
16:00~18:00
東京大学駒場キャンパス 21KOMCEE 303
使用言語:日本語|入場無料|要事前登録|対象:12歳以上
※事前登録が必要となります。
参加をご希望の方は、こちらのフォームよりお申し込みください。
※第二部からのご参加も歓迎いたします。
〈参加者の皆様へ〉
第1部のワークショップにご参加の方は、動きやすい服装でご参加ください。また、第1部の会場では靴を脱いでいただきますので、よろしければ靴下、または体育館履きなどをお持ちください。
当日は祝日のため、大学内購買は閉まっております。お飲み物のご用意をお忘れになりませんよう、お願い申し上げます。また、長時間になりますため、飴やチョコレートなどをお持ちいただくことをおすすめ致します。
ゲスト:
第一部〈構成・出演〉
松山(福士)侑生(つくば国際大学)
大谷賢治郎(国際児童青少年演劇協会理事)
土井真波(劇団銅鑼)
第二部〈パネリスト〉
当事者の立場から…水谷みつる(こまば当事者研究会)
演劇実践家の立場から…花崎攝(企業組合演劇デザインギルド)
支援者の立場から…向谷地生良(北海道医療大学)
研究者の立場から…石原孝二(UTCP)
出演者の立場から…松山侑生、大谷賢治郎、土井真波
オーガナイザー:
第一部…梶谷真司(L3「Philosophy for Everyone」)
第二部…石原孝二(L2「共生のための障害の哲学」)
企画:松山(福士)侑生(つくば国際大学、こまば当事者研究会、P4E研究会)
主催:東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 共生のための国際哲学研究センター(UTCP)上廣共生哲学寄付研究部門
L2「共生のための障害の哲学」、L3「Philosophy for Everyone ~哲学をすべての人に~」
L2「共生のための障害の哲学」、L3「Philosophy for Everyone ~哲学をすべての人に~」
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