2015-03-05

「アリスがくれた不思議な時間」



  




















 二年ほど前だったと思います、現在company maの一員である原田亮が茅ヶ崎の小学校で「不思議の国のアリス」をベースにいじめについての芝居を小学生と創作、神奈川県小学校演劇発表会で絶賛されました。そのときの審査員をしていたのが、日本児童青少年演劇協会ならびにアシテジ国際児童青少年舞台芸術協会事務局長の石坂慎二氏。日本の児童演劇界を数十年とかげで担ってきた方です。発表会後しばらくして、その石坂氏から連絡を頂き、「大谷君の後輩の原田君に本(脚本)を書いてもらおうかと思うんだけど、どうだろう?で(ふじた)あさや先生と大谷君で一緒に創ってほしいんだけど」と。僕も驚きましたが、原田自身は相当驚いたと思います。なにせこれまで本なんて書いたことないのですから。でも石坂さんは小学校の発表会を見て、かなり感銘を受けたようで、「原田で行こう!」と決心したようです。それから原田の汗にじむ執筆作業。これまた日本の児童演劇の重鎮と言っても過言ではない、ふじたあさや氏の超個人指導のもと、彼は執筆に挑みました。一度だけ、その席に立ち会ったことがあるのですが、まさに超贅沢な脚本講座を見ているようで、当の本人は、ふじた氏の指摘にたじろくだけでなく、莫大な知識の情報共有に対し、変な汗を流しておりました。そして、今年の頭、ついに本が完成。その名を「アリスがくれた不思議な時間」。多分第50稿ぐらいかと思います。とっても良い本が仕上がりました。実際稽古に入っても台本の校正は続きましたが、それって実は普通のことで、何だかとっても贅沢なしかし本来あるべきの創造作業を見ているようでした。
 数十年、日本の児童演劇に関わってきた石坂氏、実はプロデューサーを務めるのは初めてのようで、「日本の児童演劇界を改革したくて」今回、自ら立ち上がったようです。その作品づくりに僕にも声をかけてくれ、とっても光栄であると同時に、今年頭のキャスティングではまだ決まっていなかった6名中4名もふじた氏承諾のもと一任させてもらい、石坂氏のその「想い」を何としても実現させるという僕の「想い」も強くなりました。
ふじた氏が集めた最高のスタッフ、僕が集めた愉快なキャストで創り始めました。そんな中、劇団が選んだキャストの一人が怪我をしてしまい、急遽降板。本人も相当悔しかったと思います、なにせみんなで創っていく面白い稽古作業でしたから。でも作品づくりは前に進めなければならず、さぁ代役をどうするか、と。えーそれが今から一週間ぐらい前の話しです。新しく代役を捜すにはあまりにも時間がなく、講じた対策は作家の原田をその役に回し、演出補で入っている僕が原田がやっていた役につくというもの。創り始めていた衣装の作業も一旦ストップさせ、僕も何年振りの採寸。現在ダッシュで台詞や歌や踊り(えーと、はい、歌と踊りもあります。。。)をマスター中であります。。。そして、実はスタッフが振付以外全員、劇団「わが町」と一緒でして(「わが町」は振付いませんので、というか、「アリス」に振付がいるということは・・・ということでもあるのですが。汗)、はい、みんなで100メートル走ぐらいのスピードで、マラソンぐらいの距離を走っている次第というわけでございます。特に衣装は大変、チェーホフの出演者は50名ほどいますし、アリスのキャラクターは20以上。あっちとこっちの稽古場でお互い鼓舞しあっております。
 てなわけで少し話しが長くなってしまいましたが、どういう結果になるのやら、是非少しでも多くの方に目撃してほしい次第です。小道具も出演者自ら作っております。僕はジャズシューズを生まれて初めて履きます。というか日本の児童劇に出演すること自体、初めてでございます。演出側の仕事をしながら出演というのも初めてでございます。はい、多くの「初めて」に恵まれ、吐きそうになるほど嬉しいのであります。因みに作家をしながら主演を演じる原田は「ザ・チェーホフ」ではチェーホフを演じます、そしてずっと腹を下してます。差し入れは「正露丸」でお願いします。

以下、公演の詳細です:




















劇団 野ばら「国際児童青少年演劇の日」記念公演
「アリスがくれた不思議な時間」
https://www.facebook.com/events/812337492170003/

作:原田亮 演出:ふじたあさや

出演:庄崎真知子(劇団銅鑼)古舘一也(company ma) 大谷恵理子 (company ma) 保坂淳(劇団野ばら)原田亮(company ma) 大谷賢治郎(company ma)

美術:池田ともゆき 音楽:藤原豊 照明:坂本義美 衣装:坂本真彩
音響:山北史郎 振付:酒井麻也子 演出補:大谷賢治郎 制作:石坂慎二 石川明

2015年 3月18日(水)・19日(木)・20日(金)
午後7時開演(午後6時30分開場)

国立オリンピック記念青少年総合センター
カルチャー棟「リハーサル室」(B1F) 
小田急線参宮橋駅下車徒歩7分
東京メトロ千代田線代々木公園駅下車徒歩10分
http://nyc.niye.go.jp/train/

参加費:2000円

主催:文化庁・公益社団法人 日本児童青少年演劇協会
協力:アシテジ国際児童青少年舞台芸術協会日本センター

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